お釈迦様のお誕生をお祝いする「花まつり」。
お釈迦様は、今から約2500年前に、ルンビニーの花園でシャカ族の王子としてお生まれになりました。お生まれになってすぐに七歩進み、右手で天、左手で地を指さし「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と発せられました。このときに、お釈迦様の誕生を祝って、甘露の雨が降ったと伝えられております。これを受けて、ルンビニーの花園を表した花御堂の中央に誕生のお姿のお釈迦様を安置し、甘露の雨になぞらえた甘茶をかけ、誕生をお祝いするようになりました。これが花まつりです。

「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」は、「この世にたった一つしかない私という命、そのすべての命はどれも同じくらい尊い」という意味で、一人一人の命はかけがえのないものということです。私という人間は唯一無二の存在です。そして私の命をつないでくださったご先祖もまたしかり、数えきれないご先祖のおかげで今を生かされています。このことにお気づきになり、一分一秒を無駄にすることなく、精一杯に「今」を生きること。花まつりでは、お釈迦様の誕生を祝うだけでなく、「私」の生き方を振り返る日にしたいものです。